おかえりなさい。

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117系7000番台

 

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12年ぶりの復活

運行開始が延期になってから4か月後、嘗て運転していた寝台急行の名が遂に復活した。

 

その列車の名は「WEST EXPRESS 銀河」。「銀河」という名の列車の復活は実に12年ぶりだ。

 

嘗てのプルマン式寝台を彷彿とさせるグリーン車座席等を設置した新たな長距離列車は9月11日に大勢の客から見送られ、京都駅を発車し華々しいデビューを果たした。

 

その2代目の銀河がデビューする12年以上も前のことだが寝台急行として運行していた初代銀河が思い起こされる。

1949年9月に東海道本線の東京~大阪間の夜行急行列車としてデビュー。1等車と2等車だけで構成され戦前の「名士列車」として受け継がれる存在に。運転区間も後に東京~神戸間に拡大したのだ。

しかし日本は当時復興の緒に就いたばかりだった。「名士」と呼ばれる富裕層も経済的に苦しかったからか、1等車と2等車だけの車内は閑古鳥が鳴いていた。運転開始からわずか9日後に3等車も連結されるように。

 

その後の高度経済成長期には東京~大阪間の夜行急行が7往復に増強され黄金期を迎えたと思われたが、1964年10月に東海道新幹線の開業を皮切りに客の多くは新幹線にシフト。この影響で夜行急行は徐々に縮小していき、1975年3月には銀河1往復のみになってしまった。

その後の銀河はサービスの改善を図っていくものの、東海道新幹線の高速化や低価格の夜行バス、ビジネスホテルの普及により利用者がさらに減少。2008年3月に廃止となったのだ。

 

そこから12年の歳月を経て、低価格を武器にした夜行列車として銀河が復活した。

今回復活した「WEST EXPRESS 銀河」の運転区間は京都~出雲市間、大阪~下関間の2つ。現在運行しているのは京都駅を夜9時15分に出発し、出雲市には朝9時31分に着く夜行列車だ。

これが11月までの運行で12月からは昼行特急として大阪~下関間を運行する予定だ。

しかしこの銀河の種車国鉄の時代から運行している117系電車を改造した車両であるため、長い間運行されるかは微妙であろう。

 

この「WEST EXPRESS 銀河」の利用状況によっては新たな寝台列車が製造される可能性があるだけに高松・出雲市~東京間を運行している「サンライズ瀬戸・出雲」を含め、寝台列車の存続はどうなるのか。この「WEST EXPRESS 銀河」が鍵を握ってるに違いない。